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フィギュアと模型と光の剣をレビューするブログ

あの頃の僕らは再び響き合う。ガルパン劇場版 シネマティック・コンサートにオーケストラの職人技を見た話。 

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親の顔より見た映画だが、最近こそリピート回数も程々に減り、公開当初の熱気はさすがに薄れてきた感はあったが、僕はまだこの映画が放つ未知のエクスペリエンスを知らなかった。


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ガールズ&パンツァー 劇場版 シネマティック・コンサートの横浜公演に行ってきた話をします。断言してもいいですが、埼玉公演も含め、横浜公演は過去のどのガルパンイベントとも比較しても異質なパワーに溢れていた気がします。有り体に言って、素晴らしかった。 だがそれだけにはとどまらない何かが、確実に横浜会場にはあった。日本を代表する有数の楽団、東京フィルハーモニーが劇伴を生演奏するという、オーケストラの演奏そのものに根ざしている、ある種の「上質な擦り込み」にやられがちな我々オタクは、最初から最後まで完全に打ちのめされるイベントであったと言っても過言でもなかったです。


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▲会場はこちら。
ハートフルタンクカーニバルの会場ということもあって、聖地大洗と並んでホームベースと化してきたパシフィコ横浜国立大ホール。




パシフィコボコ浜と化した会場入り口。


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▲物販スペースにはまいわい市場出張所も来ていたり、ONKYOのハイレゾスマフォのブースも出ていたり。
ハイレゾ音源対応スマフォはもはや完全にガルおじのターゲット年齢層が絞られてきている感すらある。


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▲戦車型キーホルダーと、コトブキヤのフィギュア道シリーズのローズヒップの展示も。
ローズヒップはポーズの都合でフィギュア道シリーズの中でも一番ケレン味が出ている気がします。何にせよ可愛い。


さて、シネマティック・コンサートとはそもそも何ぞや。
ざっくり説明すると、劇場版の映像に生オーケストラの生演奏を当てたバージョン。 当初はイベントの概要も、せいぜい劇場版のBGMを生オケで聴けますよー的なものだと解釈していたのですが、これが大きな間違い。
オーケストラ楽団の後ろで劇場版本編を巨大スクリーンで流しっぱにし、そこに本編の楽曲の尺、タイミング、抑揚を、寸分違わずオーケストラが生演奏でぶち込んでくるという、
繊細且つとんでもない離れ業を見せつけてくるイベントなのです。




画像は大宮公演のものですがイメージはこんな感じ。会場内は一切撮影禁止のため、横浜公演での会場の様子はアップできませんが、凡そ雰囲気は同じ。

では横浜公演の何が凄かったのか。

■不死蝶の如く蘇る。ChouChoさんの復活。
開演と同時にステージに登場した歌手のChouChoさん。憩室炎で入院し、大宮公演を止む無く控えることになったChouChoさんがステージに現れ、退院間もない体にも関わらず美声で劇場版イメージソングの「GloryStory」を披露。

もうこの時点で、

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わい、早々に涙腺決壊。


■劇中BGMが生演奏でぴたりと映像とシンクロするトリップ感とライブパワー。
オーケストラ演奏と映像の融合。当然ながら、演奏する側は曲の入りのタイミング、そしてキメや締めのタイミングも、映像本編の音源とぴったりシンクロしていないと映像とズレることになる。そこを指揮者の栗田博文氏が、名門東京フィルの楽団を完全にコントロール。 映像音源と変わらないタイミングで曲が始まり、それを全編に亘ってオーケストラが演奏。よくクラシック等で、同じ曲でも指揮者が違うだけで全くの別物になるという話がある。それは指揮者という存在が演奏の舵取りを担うポジションであるが故、指揮者の個性に起因する現象だが、栗田氏と東京フィルは、多少のアレンジこそあれど、まるでマシーンのようにぴたりと映像と演奏をシンクロさせてきた。
そして、ミカがセリフを喋りながらポロロンとつまびくカンテレの音まで、カンテレ奏者のあらひろこ氏がパーフェクトにカバー。「これは映像音源なのか?それとも生演奏なのか?」と困惑するまでに一体化した演奏には、軽くトリップ感を覚える程。

対してスクリーンから流れる映像の音声は、立川シネマシティの極爆上映で慣れきった耳からすると、当然スピーカーから発する音のトゲや攻撃力はなりを潜めた印象を受けます。 特に耳に刺さるような効果音はかなり抑えられ、反してキャラの発するセリフはオーケストラの演奏と被っても通るようにイコライジングされ、迫力の生演奏の中でもセリフはしっかり聞き取れる設計に。
さらに、演奏中でもオケ側のボリュームが上がる部分は、それに沿ってPAがリアルタイムで映像側の音声や、オケの集音マイクをコントロールしているような印象を受けました。(序盤のシーンで一瞬だけオケの音を拾うマイクのフェーダーが上がり過ぎたのか、ハウリングを起こしかけた箇所があったので。)

あくまでシネマティック・コンサートの主役はオーケストラ。それを最大限に引き立てる指揮者のコントロールと音響設定。 何度も劇場やブルーレイディスクで見倒してきただけに、楽曲がドンピシャのタイミングで入ってくる度に涙が出そうになるので、もはや職人技と呼ぶしか他ないのです。


■オーケストラはここがちがうぜ!
単に劇中BGMをなぞるだけではなく、オーケストラの生演奏になったことで新たな発見が生まれたシーンも。

・これ以上ない程に壮大になったボコミュージアムシーン
・ノンナがカチューシャを逃がすシーンの悲壮感が激増
・Säkkijärven Polkkaのオケバージョンのとてつもないかっこよさ


特にSäkkijärven Polkkaの中盤からの展開は弦楽隊がうねりにうねりまくって鳥肌が止まらなかったですね。


■アンコールからのスペシャルゲスト、そしてサプライズ。

アンコールではまず島田流戦車道のテーマ、「無双です!」を披露。
そしてエンディングでは「Piece of youth」、アンコールで「Dreamriser」を見事に歌い上げたChouChoさんから、スペシャルゲストの紹介が。
何と大宮公演で代打を務めた佐咲紗花さんが登場。 ChouChoさんの復帰を労い、そして最終章の第1部~第3部を佐咲さんが、第4部~第6部をChouChoさんが担当することを電撃発表。
さらに何と、最終章主題歌の新曲「Grand symphony」をオーケストラバージョンで初披露!どひゃ~~~~~!!!



今まで明るめのトーンだったガルパンの主題歌も、「Grand symphony」はアッパーながらどこか悲壮感が漂う、まさに最終章のシリアスな展開を予感させるような、それでいてとてもかっこいい楽曲……。これはもう横浜公演に来た人だけの特権。


■鳴りやまないスタンディングオベーション。
新曲の初お披露目に完全にボルテージが上がり、佐咲さんとChouChoさんに並んで指揮者の栗田氏も挨拶。栗田氏のコールで会場全体が「ガルパンはいいぞ!」「オーケストラもいいぞ!」「会場のみんなもいいぞ!」の三唱でついに一体化。最後は「Enter Enter Mission」の大合唱から、スタンディングオベーションで会場総立ち。 夢の時間はこうして幕を閉じた。


これが僕が体験したガルパン劇場版 シネマティック・コンサート横浜公演の真相。大宮公演でのChouChoさんの出演取りやめの報を聞いた時には、横浜公演の時は大丈夫だろうかと不安にもなったが、そのドラマがあってこそ実現したイベントであったことは言うまでもない。 そして完璧な演奏とリアルライブの臨場感で、散々見てきたガルパン劇場版にさらなる楽しみ方と発見を提供してくれた東京フィルハーモニー。今までリアルではおろか、SNS上でも片手で数えるほどしか言ってこなかった自分でも、今夜だけは言わせてほしい。

ガルパンはいいぞ。
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